レーシックの次世代術式として注目されているSMILE(スモール インシジョン レンティキュール エクストラクション)。フラップ(角膜の切り開き)を作らず、小さな切開口だけで行う術式です。レーシックとどう違うのか、ドライアイリスクは本当に低いのか、費用は?向いている人は?このガイドで徹底解説します。
SMILEとはどんな手術か
SMILE(スマイル)は、角膜実質内にフェムト秒レーザーを照射してレンティキュールと呼ばれる小さな角膜組織片を作り、2〜4mm程度の小切開から取り出すことで屈折矯正を行う術式です。レーシックのように角膜表面に大きなフラップを作る必要がないため、角膜神経の切断が少なく、術後のドライアイリスクが低いとされています。
現在日本で行われているSMILEはカールツァイス社の「VisuMax」レーザーシステムを使用する術式(SMILE Pro)が主流です。2023年にSMILE Proが承認されて以来、対応クリニックが増加しています。
手術の流れ(SMILE vs LASIK)
| ステップ | SMILE | レーシック |
|---|---|---|
| 切開 | 2〜4mmの小切開のみ | 20mm超のフラップ作成 |
| レーザー照射 | フェムト秒レーザー1種 | フェムト秒+エキシマレーザー2種 |
| 手術時間(両眼) | 約10〜15分 | 約15〜20分 |
| 術後当日の見え方 | △ やや回復が遅い | ◎ 翌日から良好 |
| 角膜神経切断量 | 少ない(約10%) | 多い(約70%) |
| スポーツ・外傷への強さ | ◎ フラップずれリスクなし | △ フラップずれリスクあり |
ドライアイリスクの比較
レーシックの主な合併症の一つが術後のドライアイです。フラップ作成時に角膜表面の神経を大きく切断するため、涙液分泌を制御する神経が一時的に機能低下します。多くの場合6〜12ヶ月で回復しますが、一部では長期間ドライアイが続くケースもあります。
SMILEでは切開が小さく角膜神経の切断量がレーシックの約1/7程度とされています。複数の臨床試験では、術後3〜6ヶ月の時点でSMILE群の方がレーシック群よりドライアイ症状が有意に少ないという結果が出ています。元々ドライアイがある方・コンタクト装用でドライアイが悪化している方には、SMILEが特に適しています。
ドライアイリスク比較まとめ
PRK/ASA
低〜中
表面の術式
SMILE
低
小切開
レーシック
中〜高
フラップあり
費用相場・医療費控除
SMILEの費用は両眼で35万〜60万円程度です。従来のレーシックが20万〜45万円程度であるため、やや高額です。ただし、医療費控除の対象となる治療であるため、確定申告で還付が受けられます。
医療費控除の計算例
SMILE費用:45万円 / 所得税率20%の方の場合
還付額目安:(45万円 - 10万円) × 20% = 7万円の税還付
※ 家族の医療費と合算可。領収書は5年間保管を。
向いている人・向いていない人
SMILEが向いている人
- ・ドライアイが気になる方
- ・コンタクトトレランスが低く乾燥感が強い方
- ・ラグビー・格闘技等コンタクトスポーツをする方
- ・-1.00〜-10.00Dの近視(乱視が少ない)方
- ・従来のレーシックに不安を感じている方
レーシックまたはICLの方が向いている場合
- ・強い乱視がある(SMILEは乱視矯正範囲が狭め)
- ・術後の視力回復を1日でも早くしたい
- ・費用を少しでも抑えたい
- ・対応クリニックが近隣にSMILEのみで少ない
- ・過去に角膜手術歴がある(要適応検査)